
歯科コラム
食育支援歯科とは? 歯科医院に管理栄養士がいる理由

初めに
「歯医者さんに管理栄養士がいるの?」と、不思議に思われるかもしれません。
食育支援歯科とは、歯科医院が「食べること」を通して、お子さまから大人の方まで、健康を支える取り組みです。お口の状態を歯科で、普段の食事を管理栄養士が確認し、その人に合った食べ方を一緒に考えます。
体に必要な栄養は、食べ物をお口に入れ、噛んで、飲み込むことから始まります。食事の内容と同じくらい、「どのように食べられるか」も大切です。お口と食事の両方を見ながら、一人ひとりの健康を支えたい。それが、当院に管理栄養士がいる理由です。
目次
なぜ歯科で「食」を考えるの?
栄養をとる入り口は「お口」
食べ物を前歯でかじり取り、奥歯で噛み、舌を動かして飲み込む。お口には、栄養をとるためのさまざまな働きがあります。
噛みにくい食べ物があると、食べられる食品が限られたり、食事の内容が偏ったりすることもあります。歯科でお口の状態を確かめ、管理栄養士が普段の食事を伺うことで、食べやすく、栄養もしっかりとれる方法を一緒に考えられます。
食生活は、予防にもつながる
今の歯科医療では、悪くなった歯を治すことだけでなく、むし歯や歯周病を防ぎ、お口の働きを守ることも大切にしています。
例えば、甘い飲み物やおやつをとる回数が多いことや、だらだら食べる習慣は、むし歯のリスクに関わります。また、食事のバランスを整えることは、生活習慣病の予防にもつながります。
むし歯にも歯周病にも、毎日の食生活が関わっています。予防の基本は、毎日の歯みがきや歯科医院でのケアです。そのうえで、食生活も含めて暮らし全体を見直すことが、お口と体の健康を守る助けになります。だからこそ歯科でも、食事についてお話しする意味があるのです。
子どもは食事から「食べる力」を学びます
かじり取る、噛む、飲み込む
子どもは毎日の食事を通して、自分の口に合う一口の量や、食べ物に合わせた噛み方を覚えていきます。手づかみで食べたり、前歯でかじり取ったりすることも、お口の使い方を学ぶ経験です。
食材の大きさや硬さは、歯の生え方や食べる力に合わせて選ぶことが、安全に食べるうえでも大切です。無理に硬いものを食べさせるのではなく、今食べられるものから少しずつ経験を広げていきます。子どもの食事には、成長に必要な栄養をとることと、食べるためのお口の機能を育むことの、二つの大切な意味があるのです。
「食べにくそう」は大切な手がかり
「よく丸飲みする」「前歯でかじり取れない」「いつもやわらかいものを選ぶ」。このような様子が見られる場合も、原因は一つとは限りません。
歯の生え方やお口の動き、食材の形、食事中の姿勢などを一緒に見て、その子に合った方法を探します。ご家庭で気づいた様子も、大切な手がかりになります。
大人の方も、食べ方の相談ができます
大人の食事では、必要な栄養をとることに加え、噛む・飲み込むといった機能を維持し、衰えを防ぐことも大切です。
「最近、硬いものが噛みにくい」「食事に時間がかかる」「食べやすいものばかり選んでしまう」。こうしたお悩みも、お口の状態と食事の両方から見ていくことで、無理のない工夫が見つかることがあります。食育支援歯科は、お子さまだけでなく、何歳の方でもご相談いただけます。
食育支援歯科では、どんなことをするの?
歯科医師・歯科衛生士・管理栄養士が、それぞれの専門性を生かして、食べ方を見ていきます。
管理栄養士は「何を食べるか(食べ物の種類)」という食事や栄養の視点から、歯科医師や歯科衛生士は「どう食べるか(食べ方)」というお口の機能の視点から、一緒に患者さんを支えます。
【歯科医師・歯科衛生士】歯やお口の成長・状態、噛み方や飲み込み方を確認します。
【管理栄養士】普段の食事内容や食べ方、おやつのとり方などを伺い、ご家庭で取り入れやすい工夫を考えます。
例えば、噛みにくい食材があるときには、食べやすい調理方法を考えながら、必要な栄養もとれるようにします。甘い飲み物が多いときには、無理なく続けられる飲み方を一緒に考えます。お口で起きていることを、毎日の食事につなげるのが管理栄養士の役割です。
おおかど歯科医院は、Eat Right Dental「みんなの食育支援歯科」の認定を受けています。歯科と栄養の視点を合わせて、安全に、楽しく食べる力を支えます。
まとめ
歯科医院に管理栄養士がいるのは、お口の健康と食事、そして体の健康がつながっているからです。
「何を食べるか」だけでなく、「どう食べているか」も一緒に見ていきます。ご自身やお子さまの食べ方、食事で気になることがあれば、小さなことでも、いつもの様子をお聞かせください。