
歯科コラム
離乳食の食べさせ方はこれでいい?お口の発達を支える3つのポイント

初めに
「離乳食の食べさせ方は、これで合っているのかな」
「育児書どおりにやっているはずなのに、思うように食べてくれない」
そう思う方もいるかもしれません。
離乳食期は、栄養をとるだけでなく、
食べる経験を通してお口の機能を身につけていく時期です。
お口の発達を導くには、
「何を食べるか」に加えて、
赤ちゃんの発達に合った「食べさせ方」にも目を向けることが大切です。
この記事では、
食べさせ方とお口の発達の関係を、
姿勢・食具の使い方・食べ物の形やかたさの
3つのポイントから紹介します。
目次
離乳食の「食べ方」が、赤ちゃんのお口の発達につながる理由
理由① 食べるためのお口の動きは、経験を通して身につく
離乳食を進めるとき、食材や栄養・食べる量が気になる方は多いでしょう。そこに加えたいのが、赤ちゃんの「食べ方」を見る視点です。
毎日の食事でお口を使う経験が、食べる力を育むことにつながります。まずは、その仕組みと、食べさせ方が大切な理由を見ていきましょう。
赤ちゃんが食べ物を取り込み、つぶして飲み込む力は、体の成長とともに、食べる経験を重ねながら身につきます。離乳食は、そのための学びの時間です。
母乳やミルクを吸う動きには、生まれ持った反射が関わっています。一方、形のある食べ物を食べるには、くちびる・舌・あごの使い方を、少しずつ覚えていくことが必要です。
例えば、離乳食を始めた頃は、くちびるを閉じて食べ物を取り込み、舌でお口の奥へ運ぶことを経験します。発達が進むと、舌と上あごや歯ぐきでつぶすなど、お口の使い方も変わります。
初めから大人と同じ食べ方ができるわけではありません。だからこそ、「どんなお口の動きで食べているか」を見ることが大切なのです。
今できる動きに合った食事の経験が、次の食べる力を育む土台になります。
理由② 大人の食べさせ方が、赤ちゃん自身のお口の動きを引き出す
赤ちゃん自身のお口の動きを引き出すには、「食べさせ方」が大切です。自分で食べ物を取り込み、つぶして飲み込む。その経験を重ねられるように手助けしましょう。
食べ物を口へ運ぶのは大人でも、くちびるを閉じて取り込み、舌やあごを使って食べるのは赤ちゃんです。
大人が次々に食べ物を運ぶと、赤ちゃんが一口ずつお口を動かす時間が、足りなくなることもあります。
例えば、赤ちゃんがお口を動かしている間は、次の一口を待ちましょう。食べ物を飲み込んだことを確かめ、次の一口を受け入れる様子を見てから運びましょう。
顔をそむけたり口を閉じたりしたときは、いったん休んで様子を見るのも大切です。
離乳食の主役は赤ちゃん。大人は赤ちゃんのペースに合わせて、手助けしてあげましょう。
くちびる・舌・あごを、今の発達に合った形で使う経験の積み重ねが、これからのお口の発達につながります。
お口の発達を支える、離乳食の食べさせ方の3つのポイント
ポイント① 食べやすい姿勢を整える
赤ちゃんがお口を使って食べる経験を重ねるには、食べさせ方や食事の環境を整えることが大切です。月齢はあくまで目安にしながら、赤ちゃんの発達や食べる様子に合わせて、これから紹介するポイントを取り入れてみましょう。
赤ちゃんがお口を動かしやすいように、体が安定する姿勢を整えましょう。
体がぐらついたり、足がぶらぶらしたりすると、食べることに集中しにくく、かむときにも力を入れにくくなります。
例えば、椅子に座るときは、足の裏が床や足置きにしっかりつくよう調整しましょう。体が左右に傾きやすい場合は、椅子と体のすき間にタオルなどを入れると、体を支えやすくなります。
赤ちゃんの体に合わせて食事の環境を整えることも、お口を使って食べる経験を支える工夫の一つです。日々の座る姿勢も確認してみましょう。
ポイント② お口の発達を支えるスプーンの使い方
スプーンで食べさせるときは、赤ちゃんが自分でくちびるを閉じ、食べ物を取り込む動きを待つことが大切です。
大人が口の奥まで入れたり、上くちびるに食べ物をこすりつけたりすると、赤ちゃん自身がくちびるを使う機会が少なくなってしまいます。
スプーンで食べさせてあげるときは、食べ物をのせたスプーンを、下くちびるにそっとのせて待ちましょう。上くちびるが閉じて食べ物を取り込んだら、スプーンを水平に引き抜きます。
スプーンは、お口に合った大きさで、先端のくぼみが浅いものを選ぶと、くちびるで食べ物を取り込みやすくなります。
「口に入れてあげる」よりも、「赤ちゃんが取り込めるようにお口へ運んであげる」という気持ちでやることが大事なポイントです。
毎日の離乳食で、くちびるを使う経験を積ませてあげましょう。
ポイント③ お口の発達に合った食べ物の形やかたさにする
離乳食の形やかたさは、月齢だけでなく、歯の本数や生えている場所、くちびる・舌・あごの動きに合わせて調整しましょう。
同じ月齢でも、歯の生え方やお口の発達には個人差があります。歯が生えているからといって、すぐにかたいものを食べられるわけではありません。実際にどう食べているかも、合わせて見ることが大切です。
例えば、舌が上下に動き、舌と上あごでつぶして食べるころは、豆腐やプリンくらいのかたさが目安です。舌が左右にも動き、歯ぐきでつぶせるようになったら、バナナくらいのかたさにしましょう。
くちびるが左右非対称に動いているかも、歯ぐきでつぶしているかを見る手がかりになります。
上下の前歯が生えてきたら、やわらかい食べ物を前歯でかじり取れているかも見てみましょう。
月齢だけで判断せず、歯の本数やお口の動きを含めた発達を見ながら、今の赤ちゃんに合った離乳食を用意してあげましょう。
まとめ
離乳食の悩みは、お口の発達をみる歯科医院へ
離乳食は、栄養をとるとともに、お口の発達を支え、食べる力を育む時間です。
姿勢・スプーンの使い方・食べ物の形やかたさを整え、赤ちゃん自身がお口を使う経験をさせてあげましょう。
月齢は目安にしながら、歯の生え方やお口の動き、毎日の食べ方を見ることが大切です。
「思うように食べてくれない」「今の食べさせ方で合っているのかな」。そんなときは、一人で悩まずご相談ください。
当院では、歯科医師や歯科衛生士、管理栄養士が、お子さんのお口の発達に合った離乳食を一緒に考えます。